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揺れる想い

ここ数日、いえ、もう少し前から、私のこころは揺れていました。
揺れる、たって、若い世代ではあるまいし、艶々した方の揺れる想いなどではありません。
そうではなくて、私は、自分の立ち位置がわからなくなっていたのです。

それというのも、思い出せば、もう30年も前に北陸にやって来て、まあ、ちょっと違うところにいたときもあったけれど、こちらにすっかりなじんでいたところに、数年前地元大阪からやって来られた先生と出会って、私は自分のアイデンティティが幾分壊れるような気がしたのですが(たった2日で私のアイデンティティを壊せるなんて、すごいですね、と先生はある人に褒められていました。)、それよりもっと、久しぶりに全国的に人とお付き合いしなければならなくなって、苦労して身に着けたものを、また戻すということをしているようで、私は揺れに揺れていました。

それも、こちらが思い切り立ててお話すべき人たちは、私の教え子にもその仕事についている人がいて、つい、あの世代・・・、などと思ってしまうし、先輩や同級生の誰それを考えるとおよそ尊敬できないわ、とどこか冷めて見てきた経緯もあり、そんな気持ちがバレはせぬか?とドキドキし、でも、一方尊敬の念はやはりあるので、いろんな方向からドッタンバッタンしていました。

昔、新卒で勤めた職場で、学期が終わった日に、その夜飲み会があり、時にはボーリングなどに行ったのですが、そのときに、自分が楽しんでいない、ということがバレていないか、心配で心配で仕方がなかったことがありました。

それを親しい上司に言うと、
先生、それは本当に余計な心配だよ。明るい顔してるから、そんなこと思ってるなんて誰も思ってないよ。人って不思議なものだねえ、と言ってくださいました。
その先生と私の母は後に奥様も含めて、ちょっとおしゃべりもするようにもなったのですが、そんな風にお世話になったことを知っているのか知らないのか・・・。

自分をどこに置いたらいいのかわからなくなったのです。
人間関係なんて複雑で、どちらの立場も逆転して先生になることもあります。
でも、私はその複雑さに耐えられないようです。
だから、先生は、同級生以上の年上の先生だと本当に助かります。

そして、私はどんな仕事の人とも、よほど割り切った仕事なら別ですが、クライアントのクライアントにはならないように努めますし、クライアントのカスタマーにもならないように努めます。

堅いな、とも思うし、そんなことしてたら、世間が狭くなる、というようなものですが、私は、相手を立て切れていない自分を見つけたら、きっと苦しむだろうし、相手もやりにくいだろうと思うのです。

だから、相当逃げ切って、ようやく見つけた、誰も私のクライアントやクライアントの親御さんもいらっしゃらないところにお世話になっていますが、それでも誰かに会ったりするので、いつ誰と出会うかしれず、ちょっとドキドキしています。
そのうち今よりもっと現場に現れるんだろうな、と思います。

最初の戸惑いは、娘の幼稚園の先生が、教え子の誰それと同じ年・・・?というときでした。
可愛く思う気持ちと、先生を先生としてみなければならに気持ちとの間で、一年が過ぎ、娘が小学校へ上がる頃には、先生と私たち家族が相思相愛であったということがわかりました。
夫など、とんでもないファンでしたから、
お宅のご主人、ぽっちゃりした人が好きなんだね!などといわれる始末でした。

だいたい性格的には先生業が向いていないのです。
これは仕事だから、先生していますが、本来私は、誰も信じてはくれませんが、誰にも気づかれたくなどないのです。
いるかいないかわからない人でいたいのです。

それが証拠に、お前を待ってる・・・、と嘘か本気かわからなかった人が発言した言葉の中に、
おるかおらんかわからん人がええねえ、とおっしゃっていました。
ということは、本来いるのかいないのかわからないタイプだったのでしょう。

などと、あれこれ昔を思い出しては生徒たちに話を振って、
なんでもやってみたい私に、先生は単純やからね・・・、などと言われております。
あああ。

公開:2022/09/23 最終更新:2022/09/23