お知らせ

品性と誇り

だいたい人って、一番痛いところってわかっていて、でも、そこだけは言わない、というものを持っているものだと思う。
この人のここは言わない、というような。
そして、それをもし言ったら、相手が傷つくから、というのが勿論第一番に来るのだけれど、自分の品性とか誇りを掛けて言わない、ということがあると思う。

実は先日、それだけは言いたくない、という内容を言わなければならなくなった。
いや、私も、品性などそっちのけで、相手のために、あるいはほかの生徒さんのために言わなくちゃ!と思ったときには、心を決めて、これは言わなければ、と思うこともある。そして、言う。

けれど、先日のは、まるで神様にでもハメられたかのように、絶対に言いたくないことを言う羽目に至った。

言いたくなかったし、それに、その逡巡を言葉に出してしまい、それを相手の口から表現されると、私は、なんだかとんでもないことを言った形になってしまった。

私をよく知る人は、そういうことを言う人間でないことくらいはわかってくださるだろうけれど、その瞬間、私の心に巡ったのは、これを言ったら、自分の品性に関わるし、誇りはどうなる?ということであった。プライドではなくて、誇り。
それに誰かに嫌なことを言ったら、絶対に自分に返ってくると思っているので、まだ、自分にならいい。自分の大切な人に返ってきたら、などということが頭を過り、率直に言うよりも、なんだか変な表現になってしまった。

もう嫌だ!
とはいえ、誰にとっても、何か大切なものを守るときに、いい人でいることなどできるわけないのである。

公開:2022/07/17 最終更新:2022/07/17