片田珠美著『他人をコントロールしないではいられない人』
大学時代以来、精神分析学や、心理学とは切れずに勉強してきた。
専門は国文学ということになるのだけれど、高校時代の先生は、心理学は自分で勉強したらいい、と言ってくださって、私は、大学に入って、変に忠実に守り、心理学の特殊講義など、心理学の専門分野の授業に出たり、勝手に本を読んだりして勉強を続けてきた。
教師になるには、人を知りたかったからである。
教科指導だけで、人に教えることができるとは思えなかったからである。
ときに、人にコントロールされていると感じるときがある。
最近は、ああ、コントロール下に入ったな、と感じたら、さっさと逃げるようにしている。
付き合いをやめる。
連絡を絶つ。
話をしない。
自己承認欲求が満たされたいがために他人を使おうとするので、使われるとエネルギーがとんでもなく消耗するので、ほかのことができなくなるので、とにかく逃げる・・・、と感覚的に知っていたが、この度、kindle版の、片田珠美著『他人をコントロールせずにはいられない人』を読んで、頭でしっかり理解することができた。
言葉巧みに、相手をコントロールして、自分の都合に合うようにするので、わからない場合が多いけれど、でも、最近はよくわかる。
だいたい、そういう人には情報を遮断することが一番である。
だから、できるだけ話をしない。
そういう人は嘘も巧みに使うから。
まず、自分がした悪いことを、人がしたかのように言って、注意をそちらに逸らす。
でも、そんなこと、いずれバレる。
社会に出て長いので、いろんな場面に出会ってきた。
私が嫌いそうなことを、あの人、○○なことする人なんだよー、と言っておいて、その実、それをする人は、当のその人だった、という経験を何度かした。
経験しなければわからないけれど、経験したうえで、本を読むと、その巧みさがわかる。
スイッチ入ってるみたいに、見せてはいけない人には絶対に見せない、と表現した人もいた。
頭がいいのか悪いのかわからない。
ちょっとほころびが見えて、ふん?と思ってみれば、その矛盾に誰もが気づくはずなのに、何か変な雰囲気、で終わることもある。
あの人、何かしんどいな、という感じで終わることもある。
でも、そういうとき、勉強しておくと、自分がどういう状態になっているのかわかるし、その状態から脱することもできる。
やはり勉強はしておくものだな、と思う。
社会の時間、生徒に、勉強は、将来、自分の身を守るんだからね!と話している。