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再会の意味を考えるー高岡の学習塾&相談室チェリー・ハッピー💛

かつて相当に失礼なことをおっしゃった夫の同期の人の奥さんがいらっしゃった。
こちらがどうの、ではなくて、その方にとって、私は彼女の何かに響いてしまうらしかった。
いつも旦那様がいかに素晴らしいかということを、ただ一つの尺度でだけ周りに語って、それで顰蹙を買っておられたが、私は、そっち側ではなくて、私そのものの属性が彼女を刺激するのだろうということくらいはわかっていた。

同じ奥さんなのにー!

という言葉を何回か聞かされた。
私も、夫の職業についてあまりわからなくて、ただイメージから拒否したかったので(最近も、その仕事を意外がられた。他から来る縁談は確かに意外がられる方面からだった。)、結婚する直前に、

相手の仕事が嫌なんです。

と先輩の奥様に相談したら、

先生、その人と結婚するんであって、その人の仕事と結婚するんじゃないんだから・・・。

と笑われた。
一見きちんとした仕事に見えるところが、余計に自分の気持ちを語るということについての質が悪かった。

自分はそもそもわからないから、その仕事においての栄転とか昇進とか、あるいは左遷とかいうことがまるで分らない。
夫の表現を信じるしかなかった。
その夫ときたら、

お前が人事のことがわからんから助かる・・・。

と言うので、それをいいことに、自分はいつ自分の仕事に復帰できるだろうか?ということに集中したかった。
とはいえ、そういうことから周りは放っておいてはくれない。
いつの間にか巻き込まれていた。
それに、夫が楽しく仕事してほしくはあるから、めちゃくちゃ頑張って協力した。

会社がらみの集合住宅に住んでいた頃、引っ越して間もなく、会社の人から電話が掛かってきた。
要するにどういうことになっているのか教えてほしいとのことだった。
それまでの経歴を考えると、私は使いやすかったらしい。
確かにどちらかと言うと、奥さんたちより、旦那さんたちに近い仕事になっただろう組織で生きていたし、通ってきたところもそっちの方が近かった。

けれど気付かなかった。それを年配の奥さんに伝えればどういうことになるのかということを。
もちろんいい気はしないだろう。自分たち年配の奥さんに電話するのでなくて、若手に電話して話を聞くのだろうから。
でも、言ってみれば女性同士の世界をあまり知らなかったし、共学の中でも、女性同士のあれこれはあったはずとはいえ、気付かないし、そもそも気付かないものに感性が働かず、とにかく目の前にあることに対して役立てばいいとしか考えられなかった。
思えば、今の娘の年齢よりも若かった。
わからないものはわからない。
だからそのまま率直に伝えた。
他の若い奥さんで、まだ親しい、というより、夫と関係のある奥さんにその話をしたら、

腹立てたかもしれないよ・・・。

と言われた。その会社の生え抜きだからよくわかるのだろう。
女性としての生き方では、彼女は数枚上手だった。

中継地点にしてしまって・・・。

と言われたけれど、それでもよくなさそうなことはわかった。

夫のサポートもなく、結構悪条件もそろって、しなくてもいい思いをたくさんしたものだと今なら思うし、今なら、

私はよくわからないから、○○さんのところに電話してください。

というくらいの機転を利かせるくらいのことはできただろう。

そんな時代を思い出す人にお目に掛かった。
さて、その方は私に気付いておられたのだろうか?
私もその後になって気付いた。

でも、遠い過去の話で、そんな若い頃の、ちょっとした至らなさの話など、思い出話にもならない。

けど、今は全然違うことをしているなあと思って、逆に感慨深い。

とはいえ、当時、先輩の奥様に相談した危惧はすべて現実のものとなった。
そして、その現実からどれほど多くのことを学んできたことだったろうか。

私など、反対の立場だとしたら、会社の人から見て、何か頼りになるものがある人なのね!と思うか、自分のところにとは思われなかった理由を思うか、何だったら若い人にそんな負担を負わせて、と思うか、だろう。ついでに手間がかからなくてありがたかったかもしれない。

後に、ニュータウンの自治会立ち上げの頃、一年目を自分がしたある会を、若手のお父さん、お母さんが一生懸命に工夫してあれこれよくしてくださったことが心底嬉しかったし、もっと言えば、それをして私たちが何かを思うだろうと思ったりされなかったことが嬉しかった。

誰かとの再会って、自分の来し方を振り返り、どれくらい成長し、言ってみれば自分の人生の主導権をどれほど自分が取り戻したのかと言うことに気付かせてくれるものだと思う。

公開:2025/09/04 最終更新:2025/09/04